「俺を信じて飛んだ山田の信用、失うわけにいかねーからな」
「何それ。そんなんで失わないから」
バカじゃないの。私の不手際なのに。そんなことで真山の信用度が落ちるわけない。
「あと、トラウマにしたくなかったんだよ。ブランコ誘ったの俺だし。悪い、思い出したくない記憶になるのは何か嫌じゃん。結果、ブランコジャンプ楽しかったろ?」
「楽しくはない」
「マジか」
「でも…怖くはなかったよ」
ブランコが大きく揺れる中で立っていた時は、正直恐怖しかなかった。飛んで着地出来る勇気も自信もなくて混乱した。でも、真山が正面に立って私を呼んでくれた時は、スッと身体が軽くなって、それまで覆っていた恐怖が嘘のように消えたんだ。
「お〜!あ、でもお前もうブランコ乗るのやめとけ」
「え。ま、そんな乗ることはないと思うけど。立ち漕ぎは二度としない。でも普通に座ってなら乗れるよ。足着くし、怖くないからたまになら乗ってもいいよ」
「や。やめとけ」
「何なの?理由は?」
トラウマにならないようにしてくれたのは、またブランコを怖がらずに乗れるようにでもあるんじゃないの?
「あー、お前、丸見えだったから」
「何が」
「丸見えっつったらパンツしかないだろ!言わすなよ!」
「?!」


