仮に君と恋をしたなら




「でね、実都」

「ん?」

「実都と真山に是非折り入って頼みがあるんだけど~」

「いいよ、ノートのお礼に何でも言って」



悠と紫は私の言葉を聞くとニヤリとほくそ笑んだ。



「実は再来月に部でコンテストに出品する写真テーマが『愛』なんだけど、実都と真山に被写体お願いしたいな~って」

「何でも、してくれるのよね?」

「え…、いやあの…それはちょっと…」



無理。被写体とかコンテストとか絶対無理。



「お願い!」

「いや、もっとふさわしい人いくらでもいるんじゃないかな…?」

「そんなことない!私たちには実都と真山しかいない!」



その辺にリア充のバカップルなんていくらでも生息してるじゃない。それに私たちは正式なカップルじゃないし。



「ちょっとラブラブな雰囲気を切り取らせてくれるだけでいいの。ね?」



そのちょっとラブラブがかなりハードル高いんですけど。



「いや、でも、私たち付き合い始めたばっかりだし」

「時間はまだある!撮影は来月から一ヶ月密着型で始める予定だから」

「それまでの間に育めばいいわけよ。手っ取り早くやることやっちゃえば親密度も一気にアップするし」



何言っちゃってんの?この人たち!