仮に君と恋をしたなら




この一件、本来なら真山は関係ないのに。こうなったのも全部私のせいだ。



「別に責めないけど。真実が知りたかっただけだし」



やっぱり、本当のことを話そう。



「あの…」

「そうだ山田、1現目の問3で俺の当たるとこわかんねーから教えて」

「え?あ…ごめん、私も分かんない」

「あー、そこ私わかるよ」



どうして、真山…?

私のせいなのに、真山が株落とすことなんてないのに。どうして、私まで庇ったりしたの。



真山は話題を変えて紫に問3の答えを教わった。私もその問題は分からなかったけど、目の前で声は聞こえているのに説明も答えも耳に入って来なかった。

真山がジッと私を見ているのに気づいた。



「答え、書かねーの?覚えてる内に書いとけよ。せっかく教えてくれたんだから」



うるさいよ。真山のせいで聞いてなかったよ。



「ほら、ノート貸せ。俺が解いてやろう」



真山は私のノートを回転させて、紫に教わった通りに問題を得意気に解いていく。私はまたその過程を見ずに、お人好しなバカ面を見ていた。



「どーだ」

「…字が汚い」

「字は関係ねーだろ!やべ、先生来た」



真山は慌てて席に戻っていった。私のノートと取り違えて。