「…返事、断ったよ」
「…あ、そっか」
「でも、それで気づいちゃった。私たちが始めたことって、かなり問題がついて回るんだなって」
「…そうだな」
帰り道、私たちは自然と遠回りのコースを選んで進んだ。
真山に、小宮の告白の返事をする際に躊躇った気持ちを話した。誠意に対して偽ることの辛さを知ったから。
「そうそう告白なんてされることないけどさ、あ、真山は割りとあるか。好意を示してくれた誠意に対してだけは、この関係を断る理由にしたくなくてさ」
「うん」
「あと、好きな人が出来たり、告白を受けたい時は速やかに解消しよ」
「うん、それでいいよ」
悠にも今さら嘘でしたなんて言えないし、始めちゃったんだから仕方ない。怪しまれない程度に恋人ごっこ遂行しよう。
「あー、なんかどっと疲れた。楽になりたくて始めたはずなのにー」
「だな。なんか、食って帰るか」
「甘いものがいい~」
私たちはファミレスに寄って糖分摂取をして帰った。


