仮に君と恋をしたなら




「おい、山田!帰るのか?」

「うん。そっちはもういいの?」

「あ、いけね」



真山は大声でさっきまで一緒にサッカーしていた連中に帰ると言って別れを告げた。



「じゃ、俺はこれで。またね、山田。真山も」

「おう」



小宮は先に帰っていった。



「真山」

「はい」

「小宮のこと知ってたの?」

「ん、ごめん」

「嘘つき」



真山は私が小宮に告白されると知って裏庭に行かせたんだ。なんか、複雑だな。



「アイツとは中学の時、塾が一緒だったんだ」

「聞いた」



真山のことで私が知らないことを他人から聞くより、真山から聞きたかった。



「…告白、された?」

「された」

「返事したの?」

「したよ」



気になってる。



「何て?」

「気になるなら小宮に自分で聞けば?」



真山の言葉、そっくりそのまま仕返しだ!



「な、悪かったって…。本当にごめん。あん時は、俺もどうしていいか分かんなくて、小宮が山田のこと気にしてんの知ってたし、俺と山田がこんなことになるとも思って無かったしで、俺からは言いにくくて…お前に答え委ねた。本当にごめん!」



それもそうか。
私が真山に恋人ごっこなんて持ち掛けたから話がややこしくなってるんだ。