放課後。



「山田、俺サッカー部に混ざってくるから終わったら呼んで」

「あー、うん」



真山はクラスの男子と私より先に教室を出た。



「実都、まだ帰んないの?」

「うん、委員で」

「そっか。ウチらは部活」



悠と紫は部活に入っていたのか。



「へー、何の?」

「写真部、今度被写体なってよ」

「えー」

「考えといて、じゃあまた明日ね」



写真部とかあったんだ。知らなかった。私は撮るのも撮られるのも苦手だな。

私は荷物を持って裏庭に向かった。
裏庭には先日の委員会で一緒に掃除をした男子が先に来ていた。



「真山、伝えてくれたんだ?」

「え?うん。あれ、もう一人は?」

「来ないよ」

「え、サボり?てか、掃除の時もちゃんとしてなくて私らフォローしたのに、ね?ツイてないね。さっさと終わらそっか」



私は荷物を端に置き、袋から軍手を出した。



「掃除、やり直しじゃないよ」

「え、違うの?じゃ、何で呼ばれたの?」

「俺が山田さんを呼んだ」



嘘。コレってまさか…



「山田さんのこと前からいいなって思ってて、一緒に掃除しててやっぱり好きだなって思ったから…俺と付き合って下さい」