恋愛禁止 〜私の誓い〜

放課後になった。

中学からバスケを始めた私は、バスケ部の部活動見学に来ていた。

隣で練習している男バスは、新入生の体験も受け入れているようだ。

私は、男バスの中で一際目立っている人を見た。

かっこつけて目立っている訳ではない。

上手さで目立っている訳でもなかった。

只々、一生懸命。

それだけだった。

地味な練習でさえも、淡々とこなしていた。

あぁ、この目は見たことがある。そう思った。

私にとって一番好きな目で、なおかつ一番怖い目。

かっこいい。同時に恐ろしい。そんな気持ちが心を渦巻いていく。

思い出したくない過去が頭をよぎる。

まだ、あと15分ぐらいは見学時間が残っていた。

が、 そんな余裕は全くなかった。

怖くて怖くて、急いで家に帰り、自分の部屋にこもった。

暗闇に1人震えながら涙を流した。

ご飯も喉に通らないぐらいだった。