蓮音side

藤崎と話してからというものの佐伯とはなんか気まづくなっちまって、話しずらくなってる。佐伯は俺の事避けてんのか??いや、避けてんのは俺の方かもしれない。今日連絡してみるか。
「余計なことしないでよ!」
ん??佐伯??
「困るんだよ!」
藤崎だ。2人が言い合いしてる。なんだ。どうしたんだよ。
「あ。神崎いたんだ。私のせいで本当にごめんね。」
藤崎が泣きそうな顔をしながら謝ってきた。喧嘩の原因って俺らの前の会話か??でもなんでそれで佐伯は怒るんだよ。正直俺は今佐伯の考えてることが何もわからない。俺本当に佐伯に嫌われたかもな。
「いや。てかなんで佐伯が怒ったんだ。」
俺は心の中の声を藤崎に言っちゃってたみたいだ。
「言っていいのかわからないし、もう優来に嫌われたと思うからこれ以上嫌われてもいいよね。優来は神崎のこと好きだよ。」
は??え。聞き間違えか??佐伯が俺の事好き??いやいや、自意識過剰だよな。
「ごめん。なんて言った??」
「だから、優来はあんた、神崎蓮音のことが好きなの!友達としてじゃなくて恋愛として!」
藤崎は目を見開きながら伝えてきた。
佐伯は俺の事好きなのか??そう言ってんだよな藤崎は。
戸惑ってる俺のことなんか気にしないで藤崎は続けた。
「でも優来はね、自分に自信もってないの。だから神崎と両思いなわけない。って思ってる。むしろ嫌われてるくらいに思ってると思う。神崎もそうだったんじゃないかな。優来のこと好きだけど、認めたくなかったんじゃない??フラれたりでもしたら友達でいるの気まづくなるもんね。そうなんじゃない??」
俺は開いた口が塞がらない。だって、藤崎が言ってること全部当たってる。俺は佐伯とぶつかるのが怖かっただけなんだ。本当の気持ちから逃げてただけじゃねーかよ。ダセェな俺。
「なあ藤崎。ありがとな。」
もっと言いたいことはあるけど、俺は1秒でも早く佐伯に謝りたかったから本当に大事なことだけを伝えて学校を飛び出した。
その日の夜、佐伯に連絡をしてみた。でも結局返事は帰ってこなかった。次の日学校に行くと教室には1人でどこかを睨みつけている佐伯がいた。いつもなら藤崎と楽しそうに笑いながら話してるはずなのに。その日以来佐伯はずっと1人だ。まるで一匹狼。でもときどきすげえ寂しそうな顔してる。俺からの連絡は全部無視されてる。学校でも前にも増して避けられてる。減ってた佐伯の悪口もまたどんどん多くなってる。肝心の藤崎は心配そうに佐伯を見るも、他の友達といる。お前佐伯の友達じゃねえのかよ。とも思ったけど佐伯のあの雰囲気じゃ近づけねーよな。そんなことを考えていると
「蓮音ー。お前最近佐伯と喋らねーよなーー。まあ無理もないか。佐伯なんかキツイもんな(笑)」
そう言いながら来たのは龍哉だ。なんだこいつ。今佐伯の悪口言った??
「は??んなことねーよ。」
「まあまあムキになんなって!佐伯なんて俺にかかればちょちょいのちょいよ!俺が仲取り戻してやるよ!」
こいつのこの気楽さが俺にもあったらな...。
「余計なことだけはすんなよ。」
「はいはーい!」
そう言い龍哉は走ってった。なんだあいつ。でも結構いい奴だこいつは。