優来side

紗奈と神崎の話をして私は神崎が好きなのかも。って自覚し始めたら急に神崎とは気まづくなって喋れなくなっちゃった。神崎はそうゆう気は全くないんだろうけど...。
「ねえ優来。私のせいで神崎と気まづくしちゃってごめん。」
紗奈が謝ってきたけど、なんで??
「なんで紗奈が謝るの?」
「実はね、優来と話した日の放課後、神崎に優来のことどう思ってるか。とか聞いちゃったの。本当にごめん。」
やっとモヤモヤが溶けた気がした。どうりで最近神崎も様子がおかしいんだ。正直紗奈を責めたい気持ちはあるけど、私が自分で紗奈に任せたんだから。
「そうだったの。紗奈は悪くないよ。」
これは紗奈に言ったんじゃない。自分に言い聞かせてるんだ。そうしなきゃ今にも紗奈を責めてしまいそうだから。
もし、神崎が私のことをめんどくさいって思ってたらどうしよう。そんな考えばっかり浮かんでくる。こんなことばかり考える自分に腹がたつ。
「神崎はね、優来のこといい奴だ。って言ってた。」
「でも好きとは言ってないんでしょ??」
紗奈は黙った。
「そんな中途半端なフォローいらないから。余計なことしないでよ!」
気づいたら私は紗奈に八つ当たりしてた。今の私、最低すぎる。
「なんなの。そこまで言わなくてもいいんじゃない??最近神崎と喋ってないからストレス溜まってるんだろうけどそれを私にぶつけられても困るんだよ!」
紗奈はそう言い走っていってしまった。
私はこうしてまた大事な友達を手放した。いつの間にか私の性格は転校したころと変わらなくなっていた。目が合ったら威嚇するように睨みつけ、一匹狼を気取っていた。つい最近までの私はどこに行ったんだろ。紗奈と神崎がいてくれたから私は転校した寂しさも1人の寂しさも忘れて楽しくしてられた。2人といると自然と他の人まで話しかけてくれるようになってた。私はいつもこう。言ってから後悔する。自分から手放したのに今更謝っても遅い。神崎だってもう頼れない。私はいつの間にか神崎を避けていた。連絡も全部無視した。もう戻れないんだろうな...。