蓮音side

放課後、俺は友達の佐藤龍哉と渡辺隼輔と伊藤翔といつも通り帰ろうとしてた。
「神崎ー!!ねえちょっと話せない??」
誰かに呼ばれた。声をした方を見ると同じクラスの藤崎紗奈がいた。ちょっとくらいいいかと思って返事をした。そしたら
「優来のことなんだけど。」
その一言を聞いた瞬間なんか胸が苦しくなった。なんだよこれ。俺は龍哉と隼輔と翔に謝って藤崎の方に向かった。
藤崎ってたしか佐伯と仲いいよな??俺佐伯になんかしちまったかな。あとは龍哉と仲良かったっけな。
藤崎は俺が佐伯のことをどう思ってるかを聞いてきた。多分俺は佐伯のことが好きだ。そんなことくらい俺も自覚し始めてる。でもなんとなくまだ誰にも知られたくなかった。しかも藤崎に言ってもし佐伯に言われて嫌われたらもう佐伯と喋れなくなる。そんな風にはしたくなかった。だから俺は
「んー。わかんねえ。」
ってごまかした。すると藤崎は納得いかないかのようにぎこちない笑顔をつくって帰ろうとした。だから思わず俺は呼び止めた。そして佐伯が俺の事をどう思ってるか聞いた。すると返ってきたのは
「私もわからないんだよね。」
藤崎は、目を泳がせて言った。いや、絶対知ってんだろ。俺と同じようにごまかした。本当のことを教えてくれ。とも思ったけど俺もごまかしたんだから同じだな。
しばらくこの気持ちは隠しとこう。