優来side

最近神崎と一緒に帰ることが多くなった。私の家は遠いからいつも送ってもらうのが申し訳ない...。
今日もまた遠い私の家まで送ってもらってる。
そういえばさっき下駄箱で紗奈に
「ねえ優来!優来ってさ、付き合ったら名前で呼ばれたい?」
なんて聞かれた。いやまあ、そりゃ名字よりは名前の方がいいけど...。
「神崎のこと名前で呼んでみれば??蓮音だっけ??」
だっけ??って紗奈同じクラスだったんだから(笑)
まあそんなわけで、私は神崎のこと名前で呼んでみようと思うんだけど、中々タイミングってものがねぇ...。難しいーー。
「なあ佐伯。」
いきなり神崎が喋り始めるもんだからびっくりしちゃった。
「ん??」
「俺さ、あの。その...」
え。なになに!!何照れてんのこの人!もしかして名前で呼ぼうとしてる??そんなわけないか!でも今チャンスかも!!
「ねえ蓮音!!」
私が急に呼ぶもんだから神崎はビクってして目を見開いてる。そして
「やべえ。先越された。てかいきなりどうした!」
「なんとなく呼んでみたー!」
神崎があまりにも笑うもんだから私は嬉しくてしょうがなかった。
「なぁ優来!」
は!?え!?今この人私のこと呼んだ??んだよね??優来って言った!?
「私のこと??」
一応確認。
「お前馬鹿かよ。ここにお前しかいねーじゃん。」
そっか。うん。そうだ。てことは、私を名前で呼んでくれた!嬉しすぎる!!
「そっか!でも言っとくけど馬鹿さなら神崎には負けるから!」
そういった途端神崎の表情が曇った。そんなにまずい事言ったかな。
「ねえ、なんでさっき蓮音って呼んだのにまた神崎に戻ってるの??名前で呼んでよ。俺も優来って呼ぶわ。」
え。今の現実だよね??神崎が私のこと優来って呼ぶって言った??そんで、私は神崎のこと蓮音って呼ぶことになるの??毎回緊張するんですけど!
「わかった!」
そうして、私と神...蓮音はお互いを名前で呼び合うようになった。
次の日学校で、佐藤と紗奈にいじられたのは言うまでもないか!!