私は秋元芹那。高校2年生だ。趣味は携帯小説を読んで現実逃避をすること。休日はもっぱら家で携帯小説を読んで過ごす。
今日もいつものように、ベッドに寝転がり、携帯小説を読み始めた芹那。
今日はどんなタイトルで調べよっかなあ…、なんとなく、幼なじみに憧れるから、携帯小説 幼なじみ で調べよう!
…あーこんな展開憧れるわ~。
読み初めて二時間が経った。結局幼なじみは付き合うことになり、ほっと胸をなでおろす芹那。
でもなぁ、現実ってこんなに甘くない。彼氏だってすぐにできるものじゃないし、幼なじみだっていない人もいる。だいたい小説に出てくる主人公は、可愛くて、痩せていて、出会いがあって…挙げ始めたら切りがないほど、芹那には足りないものだらけ。
秋元芹那、高校2年生。顔は中の下くらいで、体型は世間で言うチビデブ。ニキビが顔にポチポチあって、時々やけ食いしてしまう…。成績は良かったり、悪かったりで、数学なんて0点を採ったこともあるほど大の苦手。交友関係は、まぁそんなに悪くないけど良くもない。
つまり、恋をする自信は皆無!!
そんな芹那でも、一つだけ忘れられない恋があった。
中学生の頃、陸上部に入っていた芹那は、長距離を走っていた。主に3000メートル。
