「雨ちゃん、ここが分からない教えて〜」



嵐くんがクルッと私の方を向いて『ここ』とプリントの数式を指差す。



私もあんまり頭はいいほうじゃないんだけど、嵐くんが困ってるんだったら助けてあげたいから一生懸命に説明する。




「えっと、これを代入してね?」




一つの机で二人プリントに向かい合う。




「え、どうして代入するの?」


「それじゃないとここが求まらないでしょう?」


「…どうしよう雨ちゃん全然分からない。」


「ここがxなのは分かる?」


「うん、分かる」


なかなか理解してくれない嵐くんに焦る。



「ならここは3だよね?」


「…あっ!そうか分かった!」



そう言って嵐くんがバッと顔を上げる。