教室に入って、自分の席に座る。
朝からみんな元気で笑う声があっちこっちから聞こえる。
私の席は一番後ろの窓側。日当たりがよくて暖かくてすごくお気に入りの席。
「雨ちゃーん、数学のプリント見せてよ〜!」
焦った顔をして私のもとに走ってくるのは、鈴鹿嵐くん。
なんだか不思議君オーラを放っていて、金髪の髪にうっとおしいのか前髪はピンで留めていて、制服はすごい着崩している。
自由奔放なチャラ男くん。
「おはよう嵐くん、また宿題忘れたの?」
「忘れたってか学校に置きっぱだった!」
そう言ってプリントでぐちゃぐちゃになってしまっている机の中を漁る嵐くん。
…それプリント見つかるのかな?
嵐くんの席は私の前。席が近くなったのがきっかけで最近よく話すようになったんだ。



