降りる人の波がおさまり、バスの中がガラガラになる。
「たっ、太陽くん、もう大丈夫だよ?」
もうガラガラなのに一向に私を離さない太陽くんにそう声をかける。
「あ、うん、ごめん。」
「ううん、ありがとうっ!」
そう言ってニコッと笑って見せると太陽くんは真っ赤な顔をして俯いてしまった。
あれ?怒っちゃったのかな…?
もしかして私がバスで押しつぶされそうになったからかな!?そのせいで私のこと守らなきゃいけなくなったかな?
一人でバスぐらい乗れよ!って怒っちゃったのかな?
「太陽くん怒ってる?」
そう言って太陽くんの顔を除くとまだ尚顔は赤いまま。
「…怒ってないよ、」
「嘘だ!怒ってるもん!」
「怒ってないっば」
「だって顔真っ赤で黙り込んでるもん!」
「それは雨がかわっ、……………何でも無い行こう。」
そう言って私を置き去りで最寄りのバス停から降りてしまった。
いつもなら絶対私のことおいて行かないのになぁ。



