雨ちゃんと太陽くん【完】






「私は太陽くんと違ってキスなんてされてないもん!」



そう言うと罰の悪そうな顔をする。




「でも、安心して俺のファーストキスは雨だから」




「…どういうこと?」




「中学三年生のとき、俺の肩にもたれかかって寝る雨にたえられなくなって、一回だけ。」




「なにそれ初耳だよ?」




「だって初めて言ったもん。」




またお得意のへラッとした笑顔で笑う。




じゃあ、知らない間に私のファーストキスは太陽くんに奪われてたってことだよね。




人に許可もなくキスをするなんて太陽くんも侮れないな。




「…でも、良かった。」




それが本音。




「雨。これからもずっと俺の隣にいてね?」



「もちろんです、太陽くんっ」










雨ちゃんと太陽くん。

fin.