顔をあげると外は茜色になっていた。
グランドからは部活の掛け声。
寝ちゃってたみたい。
ここ最近寝不足だったからかなぁ。でも普通起きたり、起こされたりするよね。
「……」
教室には私、一人。
夢の中に取り残されたみたい。
太陽くんも風花ちゃんと帰っちゃったんだろうな。
仲良く手を繋いだりしてるのかな。
笑い合ってるのかな。
無条件にあふれだすヤキモチは、太陽くんを好きな証拠。
「…太陽くんのばかぁ」
静かな教室に、そんな言葉が溶ける。
「誰が馬鹿だって?」
「…太陽くんっ」
振り向けば今頃風花ちゃんと仲良く帰っているはずの太陽くん。



