もちろん私は怖くて自分の席から動くことが出来ない。
気がつけばクラスには人が全然いなくなっていた。
告白かぁ。
太陽くん風花ちゃん付き合っちゃうのかな?
二人で出かけちゃうくらい仲いいんだもんね。
「「「キャーーーーー」」」
何が起こったのかは分からない。
「やばいやばいよ!!」
中庭から聞こえてくる歓声が、太陽くんが風花ちゃんに言った答えを教えてくれた。
ああ、こんな歓声ってことは付き合っちゃったんだ。
この気持ちに気づくのが遅かった私が悪い。
「っ、」
私も好きなのになぁ。
今頬に伝う涙の意味はきちんと分かる。
おさまらない歓声が嫌になって涙を流しながら、耳を塞いで机に顔を伏せた。
誰にもバレないように、何も見ないよう、聞かないよう。



