それからまた太陽くんに手を引っ張られて、空き教室に連れて来られた。
「雨。もう一回だけ聞く、昨日誰といた?」
もう嘘なんてつけないその視線に
「…嵐くんに家まで送ってもらいました」
本当のことを言ってしまった。
その瞬間聞こえる盛大なため息。
太陽くんがイライラしていることは分かる。
そしてまた壁に追い込まれて、太陽くんの両腕が私の顔の隣に来る。
妖艶な瞳にドキッとしてしまう。
「どうして俺のお願い聞いてくれないの?」
「………嵐くんやっぱり良い人だし、昨日暗かったから送ってもらっただけで………」
目を合わせる勇気は今回も持ち合わせていない。



