「来て。」
それだけ言って私の手首を強引に掴で、教室を飛び出す。
いつもと違う太陽くんに戸惑いをかくしきれない。
人気の無い廊下で太陽くんが急に立ち止まる。
「…太陽く、ん?」
すると太陽くんはこちらを向いて、
「最近さ、鈴鹿と仲いいよね。」
「嵐くんは優しいから話しかけてくれるの」
太陽くんのまゆげが少し動いて、眉間にシワが寄る。
「(…嵐くんねぇ〜)」
そのまま無言で私との距離を詰めてくる。
こ、こんなのいつもの優しい太陽くんじゃない!
「た、太陽くんどうしたの?…なんだか怖いよ?」
背中にはもう壁がついている。
でもなお太陽くんは距離をつめてくる。



