悪役の私






きっと、最後のキス。




嫌われちゃうかもしれないけど、それでもいい。



これが、優との最後のキスなら、私はきっと一生忘れないと思う。




唇が触れた瞬間、優は私の肩を掴み、下を向く。




…あぁ、やだ。



わかっていても拒否されるのは、やっぱりつらい。



きっと、もう本当に嫌われただろう。




泣きたくないのに、ポロポロと溢れていく涙。




気付かれないように、私も下を向いて涙が下に落ちていかないよう、何度も何度も瞬きをした。