悪役の私






また私のことを好きになってほしい。



そんな思いは届くこともなく、あっという間に3ヶ月が経とうとしていた。




私は変わらず優が好きで。



今日も相変わらず素っ気ない優に、心が折れそうだ。



…でも、私は今日は覚悟を決めてきたの。



優とお別れする覚悟。



きっと優は優しいから、私に振られるのを待っているんだと思う。



だから私は、優に別れを告げる。




そう決めて来たのに、やっぱり優を目の前にするとなにも言えなくて。




「そろそろ帰ろうか」




いつもの優の声。




「うん」




いつも通りに優の後ろを歩く私。




「じゃあ…」




そう言う優の腕を、私はぐっと引っ張り人気のない木の陰に隠れた。




「えっ…」




きっと私はすでに涙目だ。




ごめんなさい。許してください。




私は驚いている優に、そっとキスをしたーーー。