「ねぇ優、この間お母さんがね?」



「…うん…。」



「ね、優…??」



「あっ…、ごめん、もう一回話して?」



優はずっと見ていた携帯を机に置いて、私の話を聞き直す。



このやり取り、今日だけで何度目だろう。




わかってる。




だって優は、私と話している時だっていつだってずっと、彼女からの返事を待っているから。



そして、いつも携帯のバイブが鳴ると、すぐに携帯を開き彼女に返事をしてまた会話に参加する。




…優は彼女と連絡を取るとき、私の声は聞こえなくなるのだろうか。




こんなこと前までは気にしてなかったのに、最近はこんなことに心が割れそうになるくらいに嫉妬してしまう。



今まで潤に嫉妬なんかしたことなかったから、こういう時どうしたらいいのかもわからない。



私が嫉妬をする立場じゃないことなんてわかっているのに。




優が私に言ってくれる言葉は全部信じてるのに。



私だけ優に夢中で、優の中には彼女がいるんだなって思うと、それだけで涙がこぼれそうになる。






私はまた、ぐっと下を向いた。