気が付いたら私は優の腕の中にいて、ぎゅっと強く抱きしめてくれていた。



優の心臓の音を聞きながら、目を閉じる。



幸せってこういう気持ちのことをいうんだろうか。




それなら私は今、今までで一番幸せかもしれない。



そう思った時。





「……どうしよう…。俺、今、すごい幸せ」





…優の突然の言葉。



思わず泣きそうになったのは、自分の気持ちに気が付いてしまったからだろう。




私も幸せだよ、とても。







そう答えようとしたのに







「…すごい好き…」






無意識に、自然に口から出てしまった。





言ってはいけないはずなのに。



思ってはいけないはずなのに。