「俺は、結衣の幸せが一番だから」
LINEを開いて、自然と涙が出た。
優の前なのに、涙は止まってくれなくて。
本当はここで、別れを告げるべきなんだ。
そう思うのに、私はなにも返せなかった。
もしも潤を嫌いになれたなら、傷つけてもなにも思わなくなるくらい、潤が悪い人だったら。
…何度もそう思った。
飲食店で泣いてる私に気を遣って、優は私を車の中に移動させてくれた。
車の後ろの席で、震える私の手をずっと握ってくれる優。
本当は、どこかで期待してしまっているのだろう。
「別れなよ。俺がいるから」
優がそう言ってくれることを。
そうしたら私は今すぐに全てを捨てて優の胸に飛び込めるのに。
