拗らせDKの偏った溺愛




次の日も1時間目が始まっても高村君と虎谷君は姿を現しませんでした。

もちろん、しばらく顔を合わせずに済んだ方が助かります。

でも、こんなことを考えるのは矛盾しているかもしれませんが…新学期早々こんなに続けて学校に来ないなんて!

学生としてどうなんでしょう!?


朝の出欠を取ったときに先生が、


「高村くんと虎谷くんは今日も来ていないんでしょうか?誰か休みかどうか聞いていませんか?」


と言ってましたし、学校に休むなんていう連絡は入ってなさそうです。

これは明らかにサボりってやつですね。


クラスの人たちも、


「虎谷君こないのかなあ…」


「竜也さん、お昼からでいいから来てくれないかな。せっかく同じクラスになったのに全然顔が見れないなんて残念すぎるぜ」


「あの二人はいるだけで目の保養だもんね」


なんて、お二人に会えないのを残念がっています。


確かに、あのお二人の見目麗しさと言ったら、同じ高校生であることを忘れてしまいそうです。

特に高村くんは簡単に人を寄せ付けないオーラのようなものがあります。

虎谷君が人気者の王子様だとしたら高村君は孤高の王様のような存在感です。


もう2日も会っていませんし、私みたいな地味な存在、高村君ももう忘れているかもしれません!


だとしたら助かるんだけどなぁ〜


なんて。


自分に都合の良いように考えながら、その日は幾分穏やかな気持ちで過ごしていました。