拗らせDKの偏った溺愛




「はぁ…はぁ……、っ、ここまで来れば大丈夫ですよね」


息が切れるくらい走ってたどり着いたのは裏庭です。

全校生徒が向かっている講堂とは真反対に位置するので、始業式が終わるまでは安全です。


でも、その後はどうしましょう…。


まだ、自己紹介すらしていないクラスメイトを、公衆の面前で叩いてしまったのです。

しかも、善意で手を差し伸べてくださったというのに…まさしく恩を仇で返してしまいました!!

きっと怒ってらっしゃいますよね…。

あの状況で怒っていないわけがありません。

高村くんからはもちろんですが、私はきっと、人気者の彼を殴った暴力女として、新学期早々多くの方から目をつけられてしまうのではないでしょうか。

もちろん自業自得なのですから仕方がないのですが…。


ここは腹をくくって…地味で平穏な学校生活との決別を覚悟してから教室に戻るべきですね!


そうやって自己完結した後に、覚悟を決めるための深呼吸をしようとした時でした。


「おい、お前」


突然背後から男子に声をかけられて、心臓が飛び跳ねたんじゃないかと思うくらいビックリしました。


「はははははいっ!」


噛み噛みで返事をしながら振り向けば、今1番心臓に悪い人が私を見下ろすようにして立っていました。