「竜也ってさ、気づいてるかもしれないけどちょっと天然でしょ?」
「まぁ、確かに」
私の代わりに綾乃ちゃんがお返事をしてくださいます。
「おまけに僕の知る限りでは、初恋もまだなんだよね」
クスクス笑いながら虎谷くんが続けます。
「どう見ても恋愛初心者の竜也がさ、初めてできた好きな子が美咲ちゃんだと思うんだ。
で、美咲ちゃんの気を引きたくて、でも初めてすぎて気の引き方を間違っているのを、僕としてはこれ以上黙って見てられなかったんだよね~」
え?虎谷くん、今なんて?
「やっぱり!!そうだと思ったんだ!!」
戸惑う私とは反対に、綾乃ちゃんは虎谷くんの言葉に意気揚々と同意し始めました。
「あれ、もしかして気づいてた?」
「もちろん!リュウくんの美咲に対する態度って、小学生男子が好きな子にちょっかいかけてるのと同じなんだもの!」
「ぶっ!うまいこと例えるね」
そう言ってお二人で楽しそうに笑ってらっしゃいます。
「そんなわけでさ、とっても申し訳ないんだけど、美咲ちゃんにお願いがあるんだ」
「お願い、ですか?」
ようやく少し顔を上げて言葉を発することができました。
「うん。勝手なことを言うけれど、もし、これからも竜也の傍にいたいって思ってくれるなら、竜也が美咲ちゃんのことが好きだって自覚させるために、僕に協力してほしいんだ」
「協力ですか?」
「協力する!する!!美咲のためなら私なんでも協力するよ!」
綾乃ちゃんが意気込みいっぱい、こぶしを握り締めています。
「ありがとう」
虎谷くんが綾乃ちゃんに微笑んだので綾乃ちゃんの顔が真っ赤になりました。



