拗らせDKの偏った溺愛




「大丈夫!そんなのウチの体育祭の障害物競走にはないよ〜!!」


佐藤さん!!ありがとうございます!なんて端的な説明!!

その神々しい一言を、いとも簡単に放たれた佐藤さんを拝みたいくらいです!


「はぁ?障害物競走の中では定番の障害物だろうが。だったら、代わりにどんなのがあるんだよ?」


高村くんが私から佐藤さんへと視線を移されたので、緊張がどっとほぐれました。


「んとねぇ〜、結構ガッツリしたやつだよ?障害物競争という名のトライアスロンって言ってた先輩もいるもん」


そうなんです。

我が校の障害物競走は、どういうわけか走行中にあるハプニング的な障害にドキドキワクワクするような一般的な障害物競走ではないのです。

まず、その距離が異常です。

障害物競走なのに、男子は1000mあるのです。


そして肝心の障害物ですが

まず最初にハードル走が200m
(陸上選手でも練習していなければキツイです!)

次にサッカーボールをドリブルする100m
(サッカー部の方はちょっと有利ですね!)

その次は平均台を2本渡ってから跳び箱が2つ
(平均台はなんとかなるとして、跳び箱は目一杯の高さです。ここまでの距離約400mを走ってきて普通に飛べる方は稀です)

と、ここまでで、我が校のグラウンド1周にあたる400mとちょっとを走ることになります。

次に2周目に入り
最初は手首を体の前で縛られて腕が振れない状態で100m
(疲れとバランスが取りづらいことで転倒者続出の危険エリアです)

次は手首の拘束を自分で外した後、5kgの土嚢を1袋担いで200m
(後半に入り、息切れ、傷まみれでフラフラが当たり前なのに、さらに耐久力と持久力を問われる地獄のエリアです)

そしてやっと辿り着く最後のエリア。ここからはふわふわと浮いてる風船を3個手に持ってゴールまで走ります!
(空中に浮かぶ風船3個の抵抗力は、体力が削られた後の走者には思いのほか厳しいようで、おまけに距離も微妙に長いため、みなさんヨロヨロしつつ走るエリアです)

これらの障害を越えて、やっとゴールに到着です。

脚力はもちろん、腕力・体幹バランス・持久力など、様々な能力を発揮させなくてはならない競技なのです。

表の花形競技がリレーだとしたら、我が校の障害物競走は裏の花形競技なのです。

ちなみに女子バージョンはもっと短くて可愛い内容です。