雪村孝也は生誕してから二十三年間、苦労の連続だった。

生まれてすぐに両親は交通事故で他界。

親戚にたらい回しされた挙句、施設へ放り込まれた。

幸いにも施設の人々は親切でそこにいた子ども達ともすぐに仲良くなった。 
 
当時七歳だった孝也は人当たりがよかった。
 
孝也が自立したのは十八歳。

高校卒業と同時に就職した。

会社の社長さんが施設の人と友人関係で孝也の話を聞いたところ気に入ったらしい。

会社を紹介されて面接を受けた。