「皆さん、一度はどん底に落ちた者同士じゃないですか。最初から運なんてものは持ち合わせていないですよ」
 
翔の一言で続々と薬を受け取る者が現れた。

中にはやはり怖気づいて帰る者もいたが。
 
「雪村さん、どうぞ」
 
翔は孝也の分の薬ももらってきた。
 
「あ、どうも」


これで孝也はもう後戻りできなくなった。

正直、まだ葛藤はある。