それに対し孝也は会社勤めをしていた頃の普通の黒いスーツ。

なけなしの金で二日前クリーニングに出した。

スーツはパリパリなのに心はよれよれ。

おまけに散髪に行く金はクリーニング代で消えたので髪はぼさぼさだった。

男にしては長すぎる髪を後ろで一つにくくっている。

百八十センチある身長は何の役にも立たない。

身長の割に度胸は小さい。

そのせいで今こんな状況に陥っている。