だが、いまさら引き返すわけにもいかず用紙に必要事項を書き込む。

名前や年齢を次々記入していきスムーズにペンは進んだのだが、最後の質問のところで止まってしまった。
 
Aコース、Bコースのどちらを選択するかというものだった。
 
「あの、このコースって何なんですか?」
 
先程の入口に立っていた女性に尋ねた。

「初めてのお客様ですね?では説明させていただきます。Aコースは参加者様のお金を賭けて一般的なギャンブルを行っていただきます」
 
女性が「一般的」という語を強めて言ったのを孝也は聞き洩らさなかった。