「……ううう……私こんなキャラじゃないのに……赤ずきんとか……ううう……ここどこぉ……?ほんともう………森の中で迷子になって狼に食べられる運命なの……?」
私は、本当はこんなキャラじゃないのに。ひきこもりキャラなのに。森の先のおばあちゃんの家に一人で歩いていくとか意味わからない。
「なんなの……?なんで私自分の名前思い出せないの?このステータス表示みたいなのに赤ずきんって書いてあるけど……」
脳内でピコン、と音を出してから出てくる薄い板状のそれは、よくゲームなんかで見るステータス表示のような感じだった。自分の残り体力や能力名が記載されたりするやつ。
「やっぱり……まだ『赤ずきん』ってことしかわかんないし……Lv.も書いてなければHPも書いてない……」
森の中の道は鬱蒼としていて、薄暗くて不気味な感じだ。今にも狼が出てきて襲われてもおかしくない。
赤ずきんはその名の通り赤ずきんを被った少女がお母さんに頼まれて病気のお婆さんの家まで行こうとするお話だ。だけど狼が出てきて、赤ずきんとおばあさんは食べられてしまう。最終的には猟師さんが助けてくれていたはずだが。
「……やだなぁ食べられちゃうのかな……なんか嫌な予感するなぁ……元はといえばあの白ウサギのせいだ……面白そうとか思って呪文唱えるんじゃなかった」
そう。
やはり彼女も唱えたのだ。
───ワンス・アポン・ア・タイム───、と────
私は、本当はこんなキャラじゃないのに。ひきこもりキャラなのに。森の先のおばあちゃんの家に一人で歩いていくとか意味わからない。
「なんなの……?なんで私自分の名前思い出せないの?このステータス表示みたいなのに赤ずきんって書いてあるけど……」
脳内でピコン、と音を出してから出てくる薄い板状のそれは、よくゲームなんかで見るステータス表示のような感じだった。自分の残り体力や能力名が記載されたりするやつ。
「やっぱり……まだ『赤ずきん』ってことしかわかんないし……Lv.も書いてなければHPも書いてない……」
森の中の道は鬱蒼としていて、薄暗くて不気味な感じだ。今にも狼が出てきて襲われてもおかしくない。
赤ずきんはその名の通り赤ずきんを被った少女がお母さんに頼まれて病気のお婆さんの家まで行こうとするお話だ。だけど狼が出てきて、赤ずきんとおばあさんは食べられてしまう。最終的には猟師さんが助けてくれていたはずだが。
「……やだなぁ食べられちゃうのかな……なんか嫌な予感するなぁ……元はといえばあの白ウサギのせいだ……面白そうとか思って呪文唱えるんじゃなかった」
そう。
やはり彼女も唱えたのだ。
───ワンス・アポン・ア・タイム───、と────
