2人きりなら逃げ場は無い!
今日こそ透香の甘えた時の顔を見てやる!


と、意気込んでいたはずだった。

「透香、歌うますぎ……下手くそとか嘘つけよ…」

「翔太も上手いよ?」

うっ…出たよ、このサラッと言う感じ…
なんていうか、アレなんだよな、
透香は天然王子様気質なんだよな…
カッコいい方向でドキッとさせられてる…

俺が姫になってどうすんだよ…

頑張れ、俺。

「なぁ、」

そう声をかけながら一気に透香に近づいて座り直した。

「んー?」

かなり近いのに透香は動揺したそぶりも見せずに曲を選ぶ

ぎゅっ…
はじめて透香を抱きしめた。柔らかくて、細い。いい匂いがする。

「んー…どした?」

「なんでそんなに素っ気ないの…」

ちょっと、甘えた声を出してみた。

「そんなことないよ」

透香は曲を選ぶ手を止めない。

「ほんとに俺の事好きなの…?」

「嫌いだったら付き合ってないかな」

表情は変わらない。

なんでそんなに平気なんだよ…
俺は結構勇気だして余裕なんて無いのに…

「ねえ、もっとかまってよ…」

透香の手が止まった。

綺麗な瞳が俺を見る。

「翔太は何されたい?」

「えっ…?何って…その、」

「抱きしめられたい?キスされたい?もっと甘いことしたい?」

予想外すぎる言葉が透香の口から次々に飛び出す。

「えっ…あのっ、透んっ…/////!?!?!?!?」

俺、透香にキスされてる、、、!?

Chu....

リップ音が響く。

「この口、はっきり言わないから塞いじゃった」

「ごめん……ヘタレで…」

身体中が熱くなる。

「ヘタレ佐藤くんにはオレンジの飴あげる」

チュッ…

またキスされた。

けど、さっきとは違う。

透香の舌のなかで溶けてしまいそうになる。

それと同時に透香が舐めていた飴が俺の口の中に入ってくる。

「あま…」

「翔太が思ってるほど、私おとなしくないから」

「透香…えろい……」

「 これでも素っ気ない?」