「ねぇ、あんりちゃんはかずやくんにあげるよね?」

去年のバレンタインデー1週間前、幼稚園からの帰り道、なっちゃんがそう言った。
私は、突然聞かれたので何のことか分からなかった。

「かずやになにをあげるの?」

「だーかーらー、バレンタインのチョコ!あんりちゃんもかずやくんにあげるでしょ?」

バレンタインって何?
何でチョコをあげるの?

流行に疎かった私は、そんな事も知らなかった。

「え、なっちゃん、かずやにチョコあげるの?」

私がそう聞くと、なっちゃんはドヤァとした後、こう言った。

「うん、みんなかずやくんにあげるんだよー。だからあんりちゃんもあげるんだよー。」

「そうなんだー。わかったー!」

私はこのなっちゃんの発言により、2月14日には、もちろん和也にチョコをあげたし、「みんなが和也にチョコを渡す日」と勘違いしていた。