「ねぇまじ卵!」
勇太が私達のボウルを指差し、いきなりそう怒鳴った。
「は?」
悠の頭の上にはハテナマークが浮かんでいる。
…そうだった、勇太は卵が苦手だと前に聞いていたはずなのにすっかり忘れていた。
「これじゃ俺、食えねぇんだけど」
今更言われてもどうしようもないではないか。
勇太が浅瀬と遊んでなんかいなければ自分ですぐに気がつけたものを。
私たちに押し付けておいてその言い方はない。
「そういうのは先言ってよ」
思わずイラっとしてしまった。
「は?うるせーよ。」
勇太はすっかり怒ってしまった。

