「琴葉、コーヒー煎れてきて」
「はい…」
「あーあと、3時に宝石商呼んどいてくれた?」
「…伺っておりませんが」
「えぇ!?嘘でしょ!昨日あんなに言ったじゃない!!」
「…」
昨日?私来てないし。そんなことも覚えてないの?
呆れてものが言えなくなる。
ぼんやりしてると、またティーカップが飛んできた。
「役立たず!!早く呼びなさいよ!!」
「…はい」
どっちが悪いんだか。
部屋を出て、最初に厨房に向かった。
「料理長、申し訳ありません。お客様がお帰りになりました」
「…あのさ、さっき言ったばかりだよな!?いい加減にしてくれ!!」
「はい」
「こっちは奥様の専属じゃないんだ!!どれだけ残飯が出ると思ってるんだ!!」
手が上がったのをぼんやり見てる。次の瞬間、右の頬に激痛が走る。
あー。叩かれたんだ。頭が判断しても、心は全然ついていかない。


