私のご主人様


…けじめ。決意、か…。

そんな深くまで考えてなかった。

だけど、この長い髪は奥様の命令だった。奥様に仕えているという証でもあったんだ。

なら、それを捨てたんだ。奥様の使用人であるという証を。

なら、暁さんの言う通りかもしれない。

私は、この髪を捨てて、陣之内家から身も、心も離れる。そして、ここで生きていかなきゃいけない。

葉月 琴音として生きていく未来を進まなければいけない。そのために、この長い髪は邪魔だ。

「“暁さん、ありがとうございました”」

「…」

あれ、なんでそんなに怖い顔に…。嫌な予感がする…。

少し身を引くと、頬を摘ままれた。

って…。

「~!!」

「暁!?」

「さんとかつけるな気持ちわりぃ。暁でいい」

「“で、でも…”」

「あ゛?」

「!」

何でもありませんっ!首を横に振ると、やっと頬を解放される。痛かったー…。