私のご主人様


頷くと、次の瞬間奏多さんの悲鳴と髪の毛を断ち切った音がした。

「暁っお、お前!!」

「奏多さんうるさい。てか退いて」

うわぁ、頭軽い…。すごい。こんな違うんだ。

奏多さんと暁さんの会話をよそに切られた髪に感動する。

あ、お礼言わなきゃ…。暁さんを見上げると、どこからか取り出した裁縫道具から縫い糸を手にとって、切った髪を束ねていた。

何してるんだろう…。じっと見ていると、縛り終わった暁さんは、それを私に投げ渡す。

「女の髪は、命とも言われる。別に今じゃ、髪を切るくらいどうってことねぇけど、大昔の高貴な娘は、髪を何よりも大事にしていたらしい」

暁さんの脈略のない話に首をかしげると、呆れたような視線が返ってくる。

「髪を切るのはけじめでもある。力士の引退がいい例だろ。お前が何で切ったのかは知らねぇ。ないなら、けじめにしろ。その髪が、お前がここで生きる決意だ」