私のご主人様


「琴音ちゃん、とりあえず今日は休む?どこか移動したかったらだっこして連れてってあげる」

「!」

それは遠慮したい…!

首を横に振ると、奏多さんはしゅんと悲しそうな顔をする。また罪悪感が…!

不意に視界の隅に白い髪が映る。簪崩れちゃったかな。簪を抜くと、毛先が床につく。座ってたらもう床についちゃうんだ…。

長いままの髪を指ですくうと、反対側の髪を触られる。

「琴音ちゃん髪長いよね。伸ばしてるの?」

「うっとうしいだけだろ」

「女の子は長い方がかわいいじゃん?」

「長すぎなんだよ。簪でまとめてても重そうだし」

暁さんの言う通り。正直重い。

それに、伸ばしてるのは私が好きで伸ばしてた訳じゃない。…どうせなら。

タブレットをポチポチ打ち始めると2人の会話が止まる。打ち終わって、奏多さんに見せる。

「ん?…ハサミ?あるよ持ってこようか」

『お願いします』

奏多さんはすぐに立ち上がってハサミを取りに行ってくれる。暁さんは何するんだと言わんばかりに睨み付けてきて、ちょっと怖い。