私のご主人様


視線を無視して、どんどん駅に近づいてくる。交番は…ないならもう駅員でも誰でもいい!!

とにかく助けを求めればきっと何とかしてくれる。

警察の姿を探しながら駅に近づいていく。焦りがどんどん膨れ上がって、気づけば息は上がっていた。

「大丈夫かい?」

「っ!?」

突然声をかけられただけで体が跳ねる。振り返ると、スーツ姿のおじさんがいた。

「そんなに慌てて…どこかに行きたいのかい?」

追ってきた人じゃない…。話そうとして、声がでないことに気づく。こんな時に!!

喉を押さえると、おじさんはなにか察したのかじっと口元を見つめられる。ゆっくり警察と口を動かすと、おじさんは眉を潜めながらも、口を開く。

「けいさつ…交番を探してたのかい?」

「コクコク」

分かってくれた!何度も頷くと、おじさんはニッコリと笑ってくれる。

「交番なら駅の向こうだよ。案内するよ」

「!」

頭を下げると、おじさんはすぐに歩き出す。その後を追いかけながら、心はホッとして涙が出そうになる。

やった。逃げ切ったんだ。これで帰れる!!