私のご主人様


動かなきゃ。片付けなきゃ。昨日の注文して、それで…。

やることは山のようにある。なのに、動けない。

動かなきゃ、働かなきゃ、じゃないとここにいられなくなる。

そう考えて思う。

私は、ここにいたいの?

…違う。帰りたい。お父さんのところに。成夜のところに帰りたい。

役立たずって道端に捨てられて、それでどれだけ歩くことになっても、帰りたい。

私はここに残りたい訳じゃない。なのに、なんであの人たちに従わなきゃいけないの?

いくら買われたからだって、自分が売られたからだって言われても、私は私の意思で売られた訳じゃない。

あの男が言っていたように、借金を背負っていたわけでもない。裏社会の人と付き合いがあった訳じゃない。

ただちゃんと働いて、奥様のわがままにも耐えて、お坊っちゃまに襲われて…。

私は、なんでこんなところにいるの?

どうして、家族のもとに帰ることも許されないの?

…そうだ。警察に行けば助けてくれるかもしれない。お父さんだってきっと警察に話を通してくれているはずだ。

なら、警察に助けを求めればきっと…。