私のご主人様


私の不安をよそに、呉服屋さんのお婆さんは帰っていきました。もちろんお見送りはしましたよ。

お部屋に戻って息をつく間もなくやって来た家具屋さん。

欲しいものはと聞かれて、とりあえず座卓だけでいいって言ったはずが、立派な桐たんすが2つ(着物用と普通の服用)が運び込まれた。

おまけに本棚までついてきた。

値段はもうあり得ない。それに普通にサインしちゃう奏多さんに頭がくらくらした。

そんなこんなで終わったお買い物。布団しかなかったお部屋に机と座布団と桐タンスと本棚が加わりました。

使用人の部屋にしてはもったいないくらい贅沢な部屋。

ここまでされるとこれからが怖くなった。

「琴音ちゃん、大丈夫?」

「コク…」

「…これ、季龍さんの指示だよ。琴音ちゃんに不自由はさせたくないからって。遠慮するようなら、これは加えておけって予め言われてたんだよ」

「…」

私は、そんなに期待されるほど動ける自信がない。それに、こんなによくされて、期待に応えられなかったら怖い。

うつむいていると、急に腕を捕まれる。顔をあげた先にいたのは暁さんで、不機嫌な顔はさらに迫力を増す。