「…う」

ま、眩しい…。カーテン閉めてなかったっけ…?

ぼんやりした視界に写るのは木目調の天井。あれ、家の天井こんなんだったっけ…。なんか布団が重い…。

寝返りをうって、身を丸める。うぅ、なんかすごい夢を見てた気がする。

売られちゃう夢。意味わかんない…。あー、今何時だろ。行きたくないなぁ…。

…あれ、畳…?

「…っ!?!?」

ここどこ!?

勢いよく身を起こして回りを見る。畳敷の部屋。寝かされていた布団の他には、枕元にきれいに畳まれた、たぶん着物?しかない。

壁が3面。もう1面は、襖。襖の反対側の壁に窓がある。眩しかったのは、そこの窓の障子が開け放たれてたかららしい。

…ここ、本当にどこ?…あ、そうだ。私人身売買のオークションで売られて、途中で気絶したんだ。

夢じゃない。ちゃんと覚えてる。私、結局どっちに買われたんだろう。これから、どうなるんだろう…。

勝手に震え出した体を両腕で抱き締め、目を閉じた。