「凛ちゃん!!ごめんねー。あたしのせいでだよね。」
「そんなことないよー。早とちりした、あたしが悪いの。」
「いや、一番悪いのは桜ちゃんだよ。俺が、しっかり怒っといたからね!!」
「う、うん。」

・・・波留くんが怒ったら相当怖いだろうなー・・。

あたしが、目覚めてからは光ちゃんと波留くんがずっと交代で話しかけてくれている。
嬉しいけど、あたしは芯君と話がしたい・・・。素の芯君と。

芯君は、ずっっと黙りっぱなし出し。

光ちゃんによれば熱を出したあたしを芯君が担いでここまで連れて帰ってきてくれたそうだ。あたし、途中から意識が飛んでイマイチ覚えてないんだけどね・・・。

でも、温かい背中だけは覚えてる。大きくて、広い頼れる背中を・・・。

そんなことを考えていたら波留くんが

「あっ!!光ちゃん、もうすぐ朝ご飯だよ!?」
「え!?ホントだー!祐くんと約束してたんだ。」
「じゃあ、りんりんまた後で。」
「うん!!」
「芯、りんりん見ててあげてね。」

そう言って、光ちゃんたちは出て行った。

「ったく・・・、あいつらは朝からうるさいんだよ・・・。」
「はは・・・。ねぇ、芯君。」
「なんだ?」
「ありがとう。芯君は、あたしの命の恩人だよ。」
「大袈裟な。」
「大袈裟じゃないもん。すっごくすっごく感謝してる。ありがと。」
「・・・どういたしまして。」

そういって、芯君は笑った。

////////あれ??何??あたしの、心臓ドキドキしだしたんだけど。

「凛?顔赤いけど、また熱で出したのか?」
そう言って、芯君の手があたしのおでこに触れた。

////////
だめ・・・。ドキドキが止まらないよ・・・。


「凛?」
「な・なんでもない!!」
そう言って、あたしは頭から布団をかぶった。


・・・あたし、芯君のこと好きになっちゃってる。たぶん、だいぶ前から好きだったんだ。気づかなかっただけで。





こんな感じで、学年旅行は終了した。