芯side

俺は、焦っていた。
挨拶回りを終えて戻ってきたら凛がいなくなっていたからだ。

「くそっ!!どこ行ったんだよ。」

凛は、約束は守るから・・・。たぶん、どこかの男に連れ去られたんだな・・・。
はぁー・・・、頼むから無事でいてくれよ。


俺は、もうここがパーティー会場だということも忘れ、形振り構わず凛を探していた。

探すこと30分・・・

まだ、凛は見つからない。
俺は、疲れ果てて地べたに座り込んだ。

・・・はぁー、守るって決めてたのに・・・。くそっ!俺何やってるんだよ。
情けない・・・・。


そのとき、柱の陰から、


「ヒック・・・うぇーん・・ヒック・・・」

女の、泣き声がした。

俺が、覗いてみると・・・

「凛!!??」
そこには、泣いている凛がいた。
俺は、とっさに凛のことを抱きしめていた。

はじめは凛も驚いていたが、俺だとわかり

「ふぇ?芯君・・・。よかったー・・。やっと、会えた・・・。」

そして、安心したようにニッコリ笑ったんだ。

凛、お前可愛すぎるよ・・・。俺は、もう一度ぎゅっと、凛を抱きしめた。

「凛、ごめんな。もう、大丈夫だからな。家帰ろ?」
「うん・・。」