『おい！女の子が屋上から飛び降りたぞ！』

帰ろうとして玄関に向かっているとそんな声が聞こえた。

それを聞いた瞬間嫌な感じがして屋上の下の所に走った。

俺がついた時にはちょうど救急車が到着したらしく女の子が運ばれていた。

その女の子を見て自分自身の目を疑った。

なぜならその女の子は"あさ"だったから。

奏｢あ、あさ！？｣

『知り合いですか？』

奏｢はい｣

『なら救急車に乗って下さい』

救急隊員に言われ一緒に救急車に乗り込んだ。

あさは頭から血を流していたけれど、その表情は穏やかだった。

おれはこれが嘘であってほしかった。

その後病院に運ばれ手術が始まった。

しばらくしてあさの両親と俺の両親が来た。

あさの母さんは泣いていて親父さんに支えられていた。

もう何時間経ったのか分からなくなっていた。

赤いランプが消え医者が出てきた。

『一命はとりとめましたがいつ目覚めるか分かりません。』

一命はとりとめたのか。

死んでないんだ。

よかった。