「俺ら二人と千秋ちゃんの問題はそれでいいとして…一番は爽ちゃん、か。」

四角い机で対面して頭を抱える二人。机の上には母さんが作ってくれた晩御飯が広げられていた。母さんが作る途中、「俺も手伝いますよ。」とイケメン力を発揮した天は、メインのオムライスを一人で簡単に作り上げ母さんの心をさらにノックアウトしていた。

(ハンバーグはどこにいった。)

「あ、違うな。気まずいのは俺と千秋で、天は爽ちゃんと普通に話せるんだっけ。」

「あー…うーん…今は、どうだろうなぁ。厄介(やっかい)な奴がいるしなぁ…。」

唸りながらブツブツと話す天の声は聞こえなかったが、何か理由があって三人とも爽ちゃんと話せないと言うのは分かった。

「とりあえず、今は一つずつ解決していこうぜ。俺天才だから、それなりに考えてるし。先ずはチィとの蟠りを解消しよう。」

「ああ、そうしよう。」

目先の目標から達成するべく、作戦決行の日は文化祭の準備が始まる月曜日に決まった。

普通に、普通に。

俺にできるかどうかは分からないけれど、次こそは、四人で笑ってはじめましてができるといいな。



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