にこりとひとつ微笑むだけで、周りを暖かくしてしまう千秋ちゃんは、やっぱり可愛くて凄い。

また、ふふふ。と笑いあいクスクスと微笑みあう。

穏やかな空気が二人を包んだ。

「そー言えば、美コンって誰が選ばれたのかな。」

楽しく会話をしながら、さっきまで男の子が話題に出していた美コンについて思い出す。そー言えば、と口に出せば千秋ちゃんも話題に乗っかってきた。

「あ、本当だね。誰になったんだろう…？千秋はね、さやたんが選ばれたと思うなーっ。」

「いや…無いでしょ。私より可愛い子なんてたくさんいるじゃん。」

「むぅぅ。千秋はさやたんが一番可愛いと思うのにぃ…。」

「お世辞はいいから。」

「もうっ、お世辞じゃないもんっ。」

頬に空気をため、ハムスターの様にパンパンに膨らました千秋ちゃんが抗議する。その顔でさえやっぱり千秋ちゃんは可愛かった。

「私は、千秋ちゃんだと思うよ。可愛いもん。」

「へっ？いや、千秋は…へへっ。あ、でも私は絶対絶対さやたんだと思うな！」

可愛い千秋ちゃんを知ってるのは私だけじゃない。その事実から、私の意見を述べた時、少し千秋ちゃんの笑顔に影がかかった気がした。

すぐいつもの笑顔になって、話を戻した千秋ちゃんに、私はさっきまでの笑顔の意味を深く考えることはしなかった。




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